職人のこだわり―食材編― 冬の空気が磨く味、羊羹を支える「天然糸寒天」への情熱
清香室町の職人技が光るこだわりの製法や商品をご紹介する”職人のこだわり”。
今回は、「羊羹」の命とも言える素材「寒天」にスポットを当ててご紹介します。

選び抜かれた国産の「天然糸寒天」
清香室町では、和菓子の仕上がりを追求するため国内で加工された「天然糸寒天」にこだわって仕入れを行っています。
現在では、扱いやすい粉末状やフレーク状の加工された寒天も多く流通していますが、当店があえて使用するのは、昔ながらの製法で作られた「糸寒天」です。これは、原料となる「テングサ」を干して作られる、混じりけのない自然の恵みそのもの。冬の厳しい寒さの中で、冷たい空気に晒して乾燥させる「寒ざらし」という工程を経ることで、より良い寒天が出来上がると言われています。
この厳しい日本の風土が生み出した寒天が、清香室町の和菓子に欠かせない、凛とした質の高さを生み出してくれるのです。
「扱いにくさ」こそが、美味しさの証
天然の糸寒天は、実は非常に扱いづらい素材でもあります。 自然界のものなので、その時々の天草の質によって、吸水性や溶けやすさにわずかなブレが生じるからです。
しかし、このブレを調整することこそが職人の腕の見せどころ。 一晩ふやかす際の時間の見極め、その日の温度や湿度に応じた微調整。 あえて手間のかかる素材を選ぶのは、仕上がりの「食べ口」「滑らかさ」「喉越し」、そして羊羹特有の「弾力性」が、加工された寒天とは格段に違うからです。 冷やし固めた時の独特のコシと、口の中で解けるような食感。 これらは、厳選された天然糸寒天を使用し、職人が長年の経験でその性質を見極めて炊き上げることで初めて実現します。